2000-07-20
Toshiyuki Yasuda: Robo*Brazileira
SOLO ALBUM (1st)
Toshiyuki Yasuda: Robo*Brazileira
[>MEGADOLLY MD0502]
WORKS by The Institute of Music and Environment (TIME), HMV, Amazon.co.jp
Spotify, YouTube, Amazon Music, Ototoy, Tracklib
in Korea
1. Baiza
2. Decor Samba
3. Cesna
4. Reversonia
5. Nunca Mais
6. Day-to-Day
7. Augusta
8. Zampano
9. Chovendo na roseira
10. Wave'n Tide
Preview
Written by Toshiyuki Yasuda
Except
6 Lyrics Written by Shoko
9 Written by Antonio Carlo Jobim
Illustration by Toru Fukuda
Design by Yuzuru Uchida, Toshiyuki Yasuda
JPG detailed artwork
Brazilian music sung by a fictitious robot 'ROBO*BRAZILEIRA'.
TOSHIYUKI YASUDA's 1st solo album.
A cover of Antonio Carlos Jobim's 'Chovendo Na Roseira' included.
「ロボットが歌うブラジル音楽!」
安田寿之1stアルバム。
アントニオ・カルロス・ジョビン「薔薇に降る雨」(09)カバー収録。
リイッシュー盤。(内容は、旧盤(Emigration Japan emig-2002)と同じ)
なぜブラジル音楽なのか。
子供の頃'GETZ/GILBERTO'を聴いて以来、そのシンプルなメロディーと複雑なハーモニーの組み合わせにとりつかれ、自身の作曲活動において自分なりのブラジル音楽を追求することが大きなテーマの一つになっていた。
ただ、DJブームの中で人気が出たこともあり、ブラジル風のRemixやボサノヴァ風の歌謡曲が発表されているが、それらがリズムや雰囲気だけを真似るに留まっており、ブラジル音楽の大きな特徴である「シンプルさに隠れた複雑さ」や「明るさに隠れた暗さ」のような倒錯した部分を表現するに至っていないことに疑問を感じていた。
音楽的にいまだに新しい可能性を持つと同時に、シンプルさという面で多くの人に訴えかけることのできるこの音楽に正面から取り組みたいと考えていた。
なぜロボットボイスなのか。
例えばボサノヴァで考えると、生まれた1950年代当時の存在意義はもはやなく、ましてや日本では「涼しげで聴きやすい」という面だけで浸透してしまっている。そのため、上手いミュージシャンを使ってオーソドックスなスタイルで演奏したものをCDにしても意味がない。それが、当時の作品を上回ることはありえない。
そこで、今繰り返し聴いても価値のあるものにするために、新しい機材やレコーディング方法で生まれる音が必要だと感じていた。ただ、単純にエレクトリックな音を入れる等では表面的な飾りにしかならないとも感じていた。
また、「パーソナリティー」を表現するのに、歌や声といったものが最もシンプルでパワーのあるものだとも感じていた。
その2点を満たすものを考えた結果が、「ロボットボイスで歌う」ということであった。
なぜ似非ポルトガル語なのか。
歌詞は、音の響きだけでつくられたものだが、これは言葉の意味が伝わらない方がもしろ聴き手の感情の奥深くまで伝わることもあると考えるからである。例えば、同じ内容を日本語と知らない言語で伝えられたとき、後者の方が切迫感を感じる。直接的に意味がわかると、逆に冷めてしまうように思う。
また、押し付けがましく感情を声にのせるのではなく、つぶやくように歌い聴く側に感情を想像させるというボサノヴァの特徴に則ったものでもある。
2000.7 安田 寿之
"ROBO*BRAZILEIRA" series vol.2 - "WITH ROBO*BRAZILEIRA"